第111章 誰のために違約金を払う?

杉浦美雪は顔を上げ、杉浦杏奈を睨んだ。

「どういう風の吹き回し? あんたがそんな親切なことするわけないでしょ」

「灰原仁司に違約金1億を支払えば、番組も降板できるし、うちの会社との契約も解除できるわ」

杉浦杏奈はそう言って、書類を指先で軽く叩いた。

「ここにサインするだけ」

杉浦美雪はもう一度、契約書へ視線を落とした。数行読んだだけで、みるみる顔色が変わる。

紙をぐしゃりと握りしめる。

「ふざけないで。そんなの、するわけないでしょ!」

杉浦杏奈は小さく首を傾げた。

「藤原智彦のこと、ずっと好きだったんじゃないの? あなた、前から何度も言ってたわよね。自分と彼こそが本当の愛だ...

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